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七面山別当より別当 内野 光智
御山の環境整備(みのぶ誌2021年7月号より)
 5月中旬、敬慎院境内に山桜が開花すると、後に石楠花、つるきんばい、山つつじ、いろいろなお花が咲き春が訪れてまいりました。
 大変申し訳のない話でございます。昨年12月、敬慎院の汚泥処理と廃棄物について不法投棄であると新聞報道をなされ、御信者の皆様の信仰を損ねるようなことで深くお詫び申し上げる次第でございます。
 浄化槽新設計画にあたり山梨県が現在使用している浄化槽を視察にこられた際、2,000メートルの高地という立地から敬慎院境内に留め置きをしていた汚泥処理の仕方が適切ではなく、以後は汚泥を麓に降ろし地域の衛生組合で焼却処理をするという行政指導の勧告と、留め置いた汚泥も全て回収し衛生組合に運ぶという勧告を受け、今後どうするかの検討をする最中のことでありました。
 このことより新設浄化槽が完成するまでは、現在の浄化槽より生じる汚泥は敬慎院職員がバキュームカーを使い引抜をして容器に詰め麓に降ろす作業をすることになり、先日バキュームカー使用の研修を受けました。
 また廃棄物についても新聞報道以後、撤去勧告を受け汚泥・廃棄物ともに山梨県・身延町の指導のもと4か月を費やし改善計画書を作成し、4月11日より廃棄物撤去作業実働に入り、4月24日、敬慎院境内地に設けた仮置場に全ての廃棄物を収納し第1工程完了となりました。
 計画書では第1工程完了に4か月の時間を考慮しておりましたが「笑顔の給仕隊」「身延おてんだい(おてつだい)隊」と称する大勢の皆様が作業に当たって下さり、中にはご自分のお仕事を2週間以上犠牲にして足場の悪いとても危険な作業に神経をすり減らしながら毎日泥だらけになって力を貸して下さった方がいました。
 6月下旬より廃棄物を索道で降ろす作業に入ります。
 何をどうしたらよいものか途方に暮れておりましたが、皆様のおかげで光明がさしたように救われた職員一同であり、心より感謝申し上げる次第でございます。