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七面山別当より
別当 小松 祐嗣
辛抱強く力強く(みのぶ誌2025年1月号より)
本年は巳年で昨年の龍に続いて七面山にとっては縁の深い蛇を表します。昨年の誌面にて辰の意味に少々触れ、「ととのう」や「草木がよく育つ」、ということを申しました。七面山では皆さんもご存知の通り、本殿の屋根葺き替え、基礎修復の報恩事業が進められております。皆様のお力添えのもと、本殿の屋根葺き替えのみ無事に終え、今は赤茶色の真新しい檜皮屋根が整いました。また、お参りにいらした御信者様から、もみじと桜の苗木をご奉納いただき、境内各所に20本ほど植樹いたしました。無事に厳しい冬を乗り越えて、大きく育つのが楽しみです。
さて本年の巳年は蛇であり、脱皮を繰り返すことから再生や復活、また辛抱強さを意味します。しっかりと積もった雪が解ける頃、5月には引き続き本殿工事がはじまります。私共一同、さらに七面大明神様のご威光が増すことに努力精進して参ります。
昨年の正月1日のこと。七面山でも年越しの参拝者を無事に見送り、その日のお泊まりの方々の受付をしている頃、俄かに玄関が音を立てて揺れました。皆さんも記憶に新しい能登半島地震です。今もなお一向に復興の進まない地域もあります。そんな中、昨年は能登で被災され家を失った御信者様を数名お迎えさせていただきました。しかし、そんな方々ばかりではない事は重々承知ですが、思いの外明るく前向きな方々でした。これも日々の信仰の賜物なのでしょう。
七面山は50丁の山坂を、お題目をひたすらに唱え登ることが修行とされます。その長い時間、自身の心の内をまじまじと見せ付けられ、そしてそれをしっかりと反省させて頂くことが罪障消滅へと繋がります。翌日の朝には誰しもが清々しく晴れ渡った笑顔で下山する姿に、厳しい修行の功徳が見て取れます。お参り頂いた能登の方々はじめ、大勢の御信者様が、本年大きな再生と復活を成し遂げることをご祈念申し上げます。