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七面山別当より別当 内野 光智
計画がらっと方向転換(みのぶ誌2020年10月号より)
 9月18・19日、大祭にあたり久遠寺より持田日勇総務様に御導師をお勤め頂き恙無く法要を営み七面大明神に御報恩の誠を捧げることができましたこと心より感謝申し上げる次第でございます。
 今般は18日(金)・19日(土)と行事には大変好都合な曜日並びでありましたがコロナウイルス感染拡大防止のため参拝者の人数制限を設けたうえ、慣れない開催の仕方に皆さまにはご不便をお掛けしたことも多々あり恐縮に存じておる次第でございます。
 別当就任以来、災害に幾度か見舞われ、コロナウイルスの影響もあり人足が遠のき、ご信者の皆さまから何と声を掛けたらよいのか言葉に詰まるとのご意見も頂戴致しておりますが、自らが積んできてしまった悪業があり懺悔滅罪のお題目を唱えさせていただくチャンスをお与え下さっている七面大明神の大慈悲に、ただただ手を合わせる日々でございます。
 7月号のこの場にて敬慎院の浄化槽老朽化に伴う新設事業についてお話を申し上げましたが、よくよく考えますと、新しく浄化槽を設置して、何十年後か、百年後か、浄化槽が老朽し浄化能力が低下した場合、七面大明神がお住まいになられる一之池に支障をきたすことは絶対にあってはならないことであり、お山の自然環境を汚してはなりません。
 そこで山の上に浄化槽を新設するという計画を一変。山の麓に浄化槽を新設して、敬慎院から長い長い配管パイプをつたい汚泥を流し、麓で汚泥処理をするという計画に切り替えました。
 このことで当初の施工費用より8,000万円ほど高くなりますが、麓にあるほうがメンテナンスがしやすく壊れない、また汚泥処理費用が山の上より年間約2,700万円ほど節約できます。何よりも、一之池、御山全体の環境保護に繋ることからこの計画を成就させたく、七面大明神が心安くお住まいになられ、いつまでも「温もりと救いがあるお山」であるよう全身全霊でつとめてまいりたく存じます。