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七面山別当より別当 望月 成浩
お彼岸を迎えるにあたり(みのぶ誌2019年3月号より)
 春と秋に営まれるお彼岸は日本特有の行事のひとつです。春分と秋分の日を中日としてその前後の3日合計1週間の間に行われます。
 この行事は仏教の篤い信奉者と知られる聖徳太子の頃に始まったといわれております。その後朝廷で営まれるようになり、江戸時代には庶民の間でも年間の行事として広まりました。お彼岸とは、文字通り「かなたの岸」「向こう岸」という意味で悟りの世界です。これに対して、「こなたの岸」「こちら側の岸」である此岸は私たちのいる迷いの多い世界です。彼岸と此岸の間には煩悩という名の広大で深い大海が横たわっています。
 お彼岸という言葉は「到彼岸」を略したもので、此岸から彼岸へ到る渡るための仏道修行の大切さを心に刻むための期間です。
 特にお彼岸中は、ご修行の強化週間でもあります。
 そして、七面山でのご修行もまた自らの再生を願う一つの修行であり、参道50丁の道のりを法華経を信じお題目を唱え一歩一歩踏みしめて七面大明神に導かれてのご修行は本当に尊いものです。
 また、それぞれの願い、想いを胸にお開帳を受け、清浄の結界の中で自らの罪障・因縁を消滅していかれるのです。これまでの自分の在り方、これからの進むべき道を見つめ直し、七面大明神に抱かれながらの参籠修行をして、生まれ変わって再び参道を通って下界に帰って頂きます。
 私共別当以下山務員一同、皆様方の願いが成就することを信じ、そのご修行の一助となりますよう、そして七面大明神の威神力が一人でも多くの方に広がり届くように一層の精進をして参ります。
 是非ご参詣、ご参籠頂きますよう心よりお待ち申し上げております。
合掌九拝

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