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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 下里 是龍
新たな年を迎え(みのぶ誌2025年2月号より)

 令和7年年頭にあたり旧年中の感謝をここに申し上げ、令和7年が皆様にとって輝かしき未来である様にと身延山山頂、奥之院思親閣より心よりお祈り申し上げます。
 昨年、身延山92世内野日総前法主猊下が遷化された事。法主様は支院出身であり隣寺ということもあり拙僧幼少の時よりとても良くして頂いた思い出しかありません。日蓮宗大荒行堂五行入行中にその知らせを聞いた時、悲しみの中、寒水に身を投じた事。また帰山後、別当就任の折には新法主持田日勇猊下より辞令を頂戴し責任の重さを感じた事を昨日のように覚えております。
 そんな景色(時代)の移ろいの中での新春三が日の御来光(身延山山頂より)は私にとって、とても感慨深いものでした。
 さて奥之院思親閣では昨秋10月より日蓮聖人・ご両親・六老僧の御厨子(住まわれるお家)の修復作業、お衣の新調と事業を展開しております。全国津々浦々より心ある多くの寺院様・檀信徒様より貴重な浄財を勧募させて頂いております。感謝以外言葉が見当たりません。
 まだまだ道半ばではありますが日蓮聖人・ご両親・六老僧の御計らいと御威光を信じ、ひたすらお経をお上げさせて頂いている日々であります。
 昨年4月1日に第55代別当に就任し早、10か月の月日が流れてしまいました。その間、多くの寺院様、檀信徒様、教団様、参拝客の皆様に支えられ今日までこられたのもまた事実であります。ことに山務員・従業員に日々サポートして頂き報恩事業も粛々と遂行しております。拙僧には何の力もありませんが、こうして多くの皆様のお力をお借りしながら日蓮聖人・ご両親・六老僧の御厨子の修復、お衣の新調を完遂せんが為により一層の努力精進に努めて参る所存であります。向後共、どうぞお力添えの程、宜しくお願い致します。

日々合掌