
令和6年の10月1日より身延山奥之院思親閣にて報恩事業を行っております。事業内容は、育恩之峰祖師日蓮大聖人、ご両親、六老僧の御厨子の塗り替え修復と御衣新調です。祖師堂建立は今より約400年、宮殿新設は今より約200年の時が流れ現在に至っておりましたので、至る所が激しく損傷しておりました故に今、事業を立ち上げた次第です。
ちょうど1年の時を経て全国の孝ある皆様、海外からの参拝者の皆様より貴重な浄財を御寄進賜りながら修復作業も順調に進んでおります。大変、心強く有難く思っております。
昨年10月1日に大聖人の御厨子を祖師堂より搬出の折、正面から御下げする事がどうしても出来ずやむを得ず、後方の壁を一度剥がし御下がり頂く事となりました。そうしましたところ御厨子の真後ろの壁の中の板に身延山万年救護の大曼荼羅御本尊が400年の時空を超え我々の眼に飛び込んで参りました。一同驚愕し何とも言いようのない感情に心打たれた事を今でもはっきりと覚えております。その日を境に400年の時空を超えた大曼荼羅御本尊を一目見ようと多くの参拝者が来山されております 。中には日蓮大聖人にお会いする事が出来たと涙する方も多く見受けられます。それほどに心打たれる有難き事と思っております。何れ我々は仏都に行きます。 その時に堂々と胸を張ってお釈迦様や日蓮大聖人にお会いできるよう日々、陰ひなたなく過ごしていく事が何より大切な事と私は思います。何れ必ずお会いする時の為に……
令和8年8月に修復完了と同時に大曼荼羅御本尊は元あった場所に戻します。どうぞ、400年の時空を超えた大曼荼羅御本尊をこの機会に拝しに来山下さいませ。
まだまだ道半ばでございます。一人でも多くの方にご賛助賜りますよう切にお願い申し上げ報恩事業の中間報告とさせて頂きます。
一心合掌
厳しい暑さの中、奥之院思親閣に毎日大勢の参拝者が足を向けてくれている事に心から感謝申し上げます。
育恩之峰祖師・日蓮聖人の御厨子修復事業も順調に進んでおります。今号より、先にご案内致しました様に奥之院思親閣に奉職されています山務員の皆さんの紹介をさせて頂きます。
まず最初に思親閣執事の小倉健佑上人です。執事さんは身延町の隣町の富士川町出身で御自坊(お寺)は隆運寺です。実は師父上人の弟様の御自坊である本成寺様と私の自坊である本行坊とは大変縁深きものがあります。本行坊44世、下里是察上人の兄弟の子であった円成院日康上人が本成寺様に我々が生まれる前に入寺し、時を経て御縁を頂いた事に驚いています。
執事さんは令和4年に日蓮宗大荒行堂に入行し、その時に尊神様龍神様より御縁を頂き思親閣に奉職する事となったそうです。その翌年に私も荒行堂を成満し思親閣の別当に就任が決まった時、小倉上人に執事の任を快諾して頂き現在に至っております。執事さんの座右の銘は「不言実行」だそうです。あれこれ言ったり理屈ではなく、やるべき事を実行し、周囲に対しても公言せずただ黙々と地道に一歩一歩進んで行きたいが為にこの言葉が好きだそうです。執事さんは正に「不言実行」を自身に採り入れ自分で決めた事は黙々と地道に歩を進め自身にとって苦手(困難)な事も、あれこれ言わずまずは実践してみる事を極力心がけています。その中で意外と自分にとって大切な事が隠されている事に気付く事もあるそうです。
そんな頼れる小倉執事さんと1年と3か月を共にしいろいろな局面で助けられております。私の意見に必ずしも寄り添うのでなく時には厳しい意見も述べてくれるとても有難き存在です。只今、継続中の報恩事業も執事さんのサポートあっての今日を迎えられているのだなと実感しております。
次回は望月俊徳会計を紹介します。
日々合掌
昨春、身延山山内がピンク色に染まる中、奥之院思親閣第55代別当に就任させて頂き何事もなく初年度を終える事ができました。これもひとえに皆様方のご理解ご協力があったからこそとここに感謝申し上げます。
初年度に日蓮聖人・ご両親・六老僧の御厨子(住まわれるお家)が約200年の時を刻んでおりましたので思い切って修復を発願し、まずは日蓮聖人とご両親の御厨子、お衣の新調に着手させて頂きました。
全国の孝厚き多くの皆様よりご支援を頂き順調に修復作業が進んでおります。私一人の力ではどうすることもできない事業ですが日蓮聖人をお慕いする皆様の篤いお気持ち本当に有難く嬉しく思っております。
思親閣2年目の新緑を仰ぎ見ながら気持ち新たに日々参詣者の方々をお迎えし日蓮聖人にご給仕させて頂く所存であります。
師父上人が「見る方向を間違えないで……」とよく言っておりました。見る方向とは我々はややもすると自分に有利な方(人)しか見なくなります。何故なら弱い自分(心)だからです。信念をしっかり持ちさえすれば何も怖くありません。例え自分一人になってもです。むしろその方がいろいろなしがらみから抜け出せ楽(生きやすい)になると思います。
日蓮聖人もまた「難しき問答にも巧みにして、其の心に畏るる所なし」と仰られております。どんなに困難な事に面しても決しておくする事はありません。我々は日蓮聖人のお弟子なのですから……日蓮聖人のように強くは到底、生きられませんがいつか仏都で日蓮聖人とお会いできる時を楽しみに日々をお過ごし下さい。私は本当に楽しみなのです。そう思うと一日一日がとても愛おしく無駄に時間は使えないと思います。別当職2年目を悔いなく進めていこうと思います。
次回からは山務員さんの紹介もしていこうと考えております。向後共、どうぞお力添えの程、宜しくお願い致します。
日々合掌
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