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報恩淨行『母への手紙』募集
 身延山奥之院は、日蓮大聖人が安房国小湊の御両親と師道善房を追慕された思親大孝の霊場である。本年平成28年は宗祖の御母妙蓮尊尼の第750遠忌に当り、奥之院大祭に際し宗祖御母妙蓮尊尼750遠忌報恩法要が虔修された。
 妙蓮とは、大聖人が母梅菊に授けられた法号であり、父には妙日を、そして自らは日蓮と名乗ったと伝わる。日蓮聖人には、清澄修行時代に身を案ずる母を諭して帰した「涕涙石」、臨終の母の蘇生祈祷をした「悲母蘇生」、生涯母の毛髪を懐中したという「聖母毛髪」など多くの御母孝養の伝承がある。また遺文中には父母への報恩の念が多く語られている。
 当法要は9月12日午前11時より思親閣祖師堂に於いて奉行され、井上瑞雄総務導師のもと、副導師に望月海英身延山一老職、望月海俊思親閣別当、全国日蓮宗女性教師の会から大島豊扇会長、山田妙真副会長が列座した。また大聖人御母堂様の報恩法要ということに因み、式衆を女性教師の会会員12名が務めるという計らいがなされ、女性教師の清々しく優雅な音声と所作で法要が華やいだ。
 法要に先立つ9時半より、山梨県第1部寺庭婦人法華和讃会による和讃の奉納、また10時より長野オリンピックスピードスケート銅メダリスト岡崎朋美氏による講演が催された。『いつまでも「挑戦」』と題された講演では、5大会に及ぶオリンピックでの活躍、長い現役生活が多くの人々に支えられたこと、そしていつまでもあきらめず挑戦することの大切さを語られた。また自らが一児の母となった今感じていることなど笑顔ながらに語られた。

女性僧侶が式衆を務めた報恩法要
思親閣祖師堂に約300名の参列者が参集した

笑顔の岡崎朋美氏



『母への手紙』
 思親閣では、この度の報恩法要に併せ、平成27年4月より報恩浄行『母への手紙』を募集したところ、2万通にも迫る数の母への感謝のお手紙が寄せられた。報恩法要中、木箱に納められた手紙が御宝前に奉安され、報恩法要終了後、新たに開眼された納経塔『知恩報恩塔』に納められた。
 『母への手紙』の募集は本年までとし、平成29年以降は『両親への手紙』として浄行を続ける。

式終了後には
支院修法師による大衆法楽

納経塔『知恩報恩塔』の開眼法要
『母への手紙』が奉納された



思親閣第52代 望月海俊別当
 望月別当は「多くの皆様が納められた『母への手紙』の心温まる一文字一文字が『知恩報恩』の浄行として広がり、法華思想の浄仏国土となる事を切に願うところであります」と述べられた。なおこの度の手紙のエピソードをもとに、絵本『母への手紙』が出版される運びとなった。

副導師を務める望月別当