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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 佐藤 順行
別当就任のご挨拶(みのぶ誌2020年5月号より)

 この度、身延山第92世 内野日総法主猊下より御下命を受け、奥之院思親閣第54代別当を拝命致しました志摩坊住職 佐藤順行でございます。
 本年1月に交代式のご案内を申し上げました所、200名様を超えるご来駕のお返事を賜りました。しかし、新型コロナウイルスの拡散により、今回は規模を縮小しての式典となりました。皆様にはご迷惑をおかけしました事、まずもってお詫び申し上げます。こうした状況下ではありましたが3月24日、久遠寺祖師堂にて無事に交代式が行われ、持田貫宣総務様より辞令を賜る事が出来ました。誌面をお借りし、皆様に御礼、ご報告を申し上げます。
 私事ながら自坊におきましては、先々代住職であった祖父の日宣上人が昭和43年より第38代別当を務めさせて頂きました。実に半世紀の時を経て祖父と同じ思親閣別当職を拝命し、感慨深いものがございます。祖父は昭和48年、私が生まれたわずか8日後に遷化致しました。今般、別当職拝命の機会を頂きました事は、祖父への孝行が出来得なかった私への思親閣のお祖師さまからのお計らいではなかろうかと勝手ながら受け止めさせて頂いております。
 身延山奥之院は大聖人がご両親、お師匠さまへ追善報恩のご供養を捧げられた聖地であります。750年の時を超え、大聖人と同じ場所で同じお題目をお唱えし、ご先祖様へ感謝のご供養を捧げる事が出来る、この喜びを、お一人でも多くの方々に味わって頂けるよう、大聖人が私達にお残し下さったこの大霊場を山務員、職員一同と共にお護りし、更なる法灯高揚に努めて参る所存でございます。
 結びに一日も早い新感染症の収束を祈念し、また皆様には今後とも変わらぬご支援ご厚情を賜りますようお願い申し上げ、別当就任のご挨拶とさせて頂きます。

合掌


第54代別当 佐藤順行
執事 小松祐嗣
会計 林 是乾
山務員職員一同