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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 望月 海俊
慇懃に毎に其の子を憶う 而も年朽邁して益、子を憂念す(信解品)(みのぶ誌2015年12月号より)

 本年中は、妙蓮尊尼750遠忌に向けた報恩浄行、併せ雪害の復興事業に対しまして、深いご理解と多大なご支援を賜りましたこと、思親閣山務員一同、衷心より御礼を申し上げます。
 「母への手紙」納経塔(知恩報恩塔)も、お陰様にて年内建立の運びとなりました。
 明年も、皆様の温かな誠心を推進力として、報恩浄行の歩みを進めたく存じます。
 さて、この時期になりますと、来年の様々な趣向のカレンダーや暦が手元に届きます。皆様も「申年で閏年、昭和元年から91年。さて運勢は……」と、些かの期待をもって眺めているのではないでしょうか。
 いずれにしましても、今年や今までの積み重ねの上に、新たな一年が展開されるわけであります。
 思えば、人生の積み重ね、否その根本の私達の命さえ累々連綿と続いた尊い生命の営みと、自覚や認知が及ばないほどの恩あればこそであります。
 しかしながら昨今は、その恩に対する意識が薄れて、しらず自分勝手の考えが増幅され、不平不満というストレスを抱えた人が増えているように感じられます。
 冒頭の年老いた親(仏)が子(衆生)を心配する法華経の金言。また大聖人のお言葉、「若き夫婦らが夫が妻を愛し、妻が夫をいとおしむ程に父母の行方を知らず」(一谷入道御書)をうけ、常に案じて下さる親の慈愛をはじめとした、色々な恩を忘却してはいないかと振り返る心の大掃除をして、越年したいものです。
 明年のご清祥を育恩の峰より祈念申し上げます。 合掌

ご案内
 新春三が日は、通常より早めの山務開始となり、身延山山頂より初日の出を拝すことができます。また開扉式のおり特別加持祈祷を虔修致します。詳しくは、お問い合わせ下さい。