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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 池上 玄裕
祝富士山世界文化遺産登録及身延登山鉄道開業50周年(みのぶ誌2013年8月号より)

 6月22日にカンボジアで開かれましたユニセフの世界文化遺産登録会議にて日本の富士山が世界へ名を弘めました。
 これまでに要した年数は約20年にも及ぶ時間が掛かったそうで関係者の努力のたまものでしょう。しかしこれからの方が一層の努力が必要であると聞いてますが、不断の努力で世界遺産として維持されることを期待したいと想っています。
 登山家の方々には富士山だけではなく世界中の山々を愛し、ゴミは捨てない、万が一ゴミが落ちていたなら持ち帰る意識を持っていただきたく思っております。
 登録後は梅雨時で梅雨明けまではなかなかその姿が見えませんで残念でしたが、今年は異常な早さで梅雨が明け、霊峰富士を見る機会が増え参拝者の目を楽しませてくれています。説明をさせていただく時には、富士山の見えるこの角度は丁度日蓮大聖人の生まれ故郷千葉県小湊で、今から約750年前、大聖人が53歳から足かけ9か年の身延山の御生活の折に、この山に登り御両親、お師匠様をお祈りしたお山ですよ、皆様方も一日一度は御両親、恩人の事を思い出し世界の平和をお祈り下さい、と説明させていただいております。
 また身延山の麓から運行しております身延登山鉄道がこの夏(8月23日)をもって開業50周年を迎える事になります。開業は昭和38年ですから東京オリンピックの前年です。考えますと当時の最先端の機械がこの山の中へ運ばれ毎日多くの参拝者の足となり頑張っていただいております。
 徒歩では約2、3時間は掛かりますが、ロープウェイに乗りますと、7分程で山頂に着くことが出来てとても便利になり、50年大きな事故も無く運行されてきました。久遠寺参拝時には避暑がてら是非お登り下さいませ。