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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 池上 玄裕
ダイヤモンド富士(みのぶ誌2012年10月号より)

 毎日暑い日が続いておりますが如何お過ごしでしょうか、くれぐれもお身体には御注意下さい。
 思親閣への参拝の醍醐味の一つに富士山が見える、見えないがあります。ロープウェイに乗り中間点あたりから右側後方に見えると歓声が聞こえるのが解りますが、雲に覆われていると「駄目か」とため息が聞こえます。夏場は比較的午前中は拝めますが、昼過ぎからは雲や霧に覆われてきます。雪景色の姿がやはり一番ですが、夏場の姿も良いものです。
 また思親閣からも1年に2度ダイヤモンド富士を拝むことができます。勿論ロープウェイがこの3日間早朝5時から臨時運転しております。秋は9月30日、10月1日、10月2日の3日間で日の出は6時過ぎだそうです。今年の春は3日間中2日目、3日目と完璧に見えましたので、秋も期待大です。私も早朝登らせていただき、素晴らしいダイヤモンド富士を拝見しカメラに収めさせていただきました。
 また昨今のデジタル一眼ブームで、カメラマンの持参するカメラのセットを見るのが大変楽しみです。このセットは数十万円だな、このセットはおそらく数百万円だろうと勝手に想像しております。この春は若い女性も数十名参加しており、流行りのミラーレスを持ち込んで赤、黄色等鮮やかなカメラや、スマートフォン、携帯のカメラと賑やかです。
 10月1日は夕方久遠寺祖師堂で日蓮聖人の御衣替えの法要に参加され、久遠寺周辺の旅館や宿坊に参籠して翌朝久遠寺朝の勤行に参加、もしくは思親閣のダイヤモンド富士の観賞に出てはどうでしょうか、お薦めです。
 天気が良い日は駿河湾、西伊豆、七面山、白峰三山(農鳥岳、間ノ岳、北岳)等がくっきり見えます。いよいよ秋の観光シーズンですし、お会式もありますので身延山へ是非お越し下さい。お待ち申し上げます。