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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 池上 玄裕
3月11日を迎え(みのぶ誌2012年4月号より)

 2012年1月23日より3月2日までの間、身延山ロープウェイは改装工事で運休となりました。その為、運休を知らないで来られた方には大変ご迷惑をお掛けしました事、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。また運休を承知で歩かれてお登りになられた方々には誠に御苦労さまでした。
 改装工事の理由は、身延山ロープウェイも開業以来約50年が経過し、経年による老朽化が著しかった為で、この度、最新鋭のコンピューター等を導入し、より安全安心なロープウェイとなりました。是非リニューアルしたロープウェイで空の旅を楽しみながら、奥之院思親閣へお参り下さいますよう山務員一同心よりお待ち申し上げております。
 運休中の2月は大変寒い日が続きましたが、3月に入ると比較的暖かい日が続いておりました。また富士山、北岳等も大変美しい姿を見せております。
 さて、3月11日は東日本大震災の一周忌となりました。思親閣でも当日の午後2時46分より昨年建立致しました東日本大震災犠牲者供養塔前にて、供養塔奉納主身延町西嶋の深澤半治氏、被災地宮城県塩竈市から修行に来られている小野寺勝彦君、身延山久遠寺の熱心なる信徒甲府市在住臼井清香様、他、当日参拝者の皆様方と一緒に東日本大震災一周忌法要を奉行させて頂き、改めて亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げました。そして未だに行方不明の方々が、一刻も早く御親族の元へ戻れるようにと願うと共に、被災地の早期復興復旧をお祈りし、また日本の繁栄を祈念致しました。
 時折の参拝者の中に、東北地方、特に岩手、宮城、福島県よりお越しの方々がおられると、そういった方々には御見舞を申し上げさせて頂きました。その中での被災地の方々の力強い笑顔には、逆に我々が心強くさせられました。一刻も早く3月11日以前の生活に戻り、平穏な時間に戻って欲しいと、強く、強く願うものであります。

合掌