meishoemaki2509
1/2

甲州身延名所絵巻治年間、御草庵付近にある「高座石」で大聖人が説法をしているところに、いつの頃からか聴聞に訪れるようになった一人の女性。『身延鏡』によれば「二十ばかりの化高女、柳色の衣に紅梅の袴」であったと記されています。波木井實長公を筆頭に、説法を聴聞していた信者達が不審に思っていたため大聖人が本性を現すよう促すと、女性は花瓶に入った水を求めました。大聖人が彼女の身体に水を垂らすと黒雲が立ち昇り、その身体はたちまちに赤い龍へと姿を変えたと言います。ほどなくして、もとの姿へと戻った彼女は、我こそは法華経の行者と身延山を様々な禍から守護する七面天女であるということを明かし、七面山へと帰っていきました。この伝説は記される典籍や口伝によって内容に多少違いがありますが、彼女の本地は弁財天であるとも、また吉祥天や厳島女、竜女であるとも言われています。「高座石」のあるこの場所には、文禄年間に「妙石庵(現:妙石坊)」が建立されました。古くはこの妙本文読み上げ建 

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る