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七面山別当より別当 長谷川 寛清
七面大明神に守護される生き方(みのぶ誌2012年1月号より)
 七面山山頂より、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 一昨年4月の別当拝命より、2度目の新年を迎えることとなりました。お陰様にて、昨年2月に発願致しました七面山本殿・和光門等改修報恩事業も拝殿破風修復工事、幣殿屋根替え、釈迦堂外柱修復、鐘楼堂修復等の第一期工事を終えることが叶いました。本年は和光門改修工事を中心とする第二期工事を、雪解けを待って着工する予定でおります。七面大明神への深い思いから、ご尽力下さった信徒の皆様に心から御礼申し上げますと共に、一層のご理解ご助力をお願い申し上げます。
 昨年の東日本大震災に始まる多くの自然災害は、日本中の人々に、これからの生き方を考えさせる出来事となりました。七面山にご登詣される方々は、勿論七面大明神にご守護される人生を送りたいと願っておられます。時代の大きな変化を感じる中で、改めて七面大明神にご守護を頂けるのは、法華経の教えの通り、目の前の困難を人のせいにせずに、自ら乗り越えていこうとする生き方であろうと思います。
 私自身、昨年はさまざまな出来事がありました。東日本大震災の被災者と共にありたいと思いながら、実際に七面山、そして自坊も台風等で被災した時には、別当として責任を感じ、悩み苦しんだこともありました。大切にしていた山務員が、事情で七面山を退山したことも受け止めなければなりませんでした。
 しかしながら、七面大明神に守護される人生とは、ただ安穏な人生という意味ではないなと感じております。700年の間、困難な時程、七面大明神のご威光が増し、人々は七面山に登詣し、信仰の力で時代を切り開いて来たことと思います。新しい年を迎え、七面大明神にご守護される生き方を、是非七面山登詣にて培って頂きたいと願っております。