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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 町田 英昭
一年を振り返り(みのぶ誌2017年12月号より)

 早いもので、平成29年も残すところ一月となりました。誌友の皆様方には、いかがお過ごしでしょうか。
 「後悔先に立たず」との、諺が御座います。事が終わった後でいくら悔やんでみても、もうどうにもならない。後悔しないように事前に十分注意せよ。との先人からの戒めです。
 日蓮大聖人は「賢きも、はかなきも、老いたるも、若きも定め無き習ひなり。されば先、臨終の事を習ふて後に他事を習ふべし(妙法尼御前御返事)」と、御教示され、人は必ず老若男女の別なく死を迎えるので、常に臨終を迎える時に「後悔しない生き方を学びなさい」と教えられております。
 昔から「時は金なり」と申しますが、私たちは限られた時間の中で生活しています。若い頃は、時間が沢山あるように思われがちですが、老若にかかわらず時の刻みは変わりません。1週間前の後悔ならば、まだ時間は取り戻せますが、一生を終える時の時間は決して立て直せません。しかし、多くの人が、無駄な時間を過ごしているのです。
 さて私事で大変に恐縮ですが、私は、本年4月に身延山第92世法主、内野日総猊下のご信任を賜り、奥之院第53代別当に就任してより、奥之院を参拝されます多くの皆様方をお出迎え致しました。ご寺院様、教団様、団体参拝の皆様には、都度にご挨拶をさせて頂きましたが、一年を振り返った時に、決して十分でないご挨拶に反省の念を抱いております。
 誌友の皆様方には、一年を振り返られた時、満足の行く一年で有りましたでしょうか。もし後悔の思いを抱かれます方、やり残した事の有ります方は、残りの一月間に反省を込めて、時間を大切にして頂き、素晴らしい新年をお迎え下さりますこと、奥之院よりご祈念申し上げます。

合掌