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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 池上 玄裕
小湊の御両親様へのお墓参り(みのぶ誌2014年2月号より)

 新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
 思親閣も好天に恵まれ、本年も多くの初詣の参拝者に恵まれました。今年は午年、昨年以上に全てが上手く行くよう祈念しております。また別当の職務も3月末で任期満了となりますが、最後まで気を抜かず精進に励む所存であります。
 この身延山奥之院思親閣は、日蓮大聖人が身延山でのあしかけ9年の御生活の中で、毎日のように身延山の頂上に登り、故郷千葉県の方向に向かい御両親様とお師匠様の回向を申し上げた事により名付けられた場所と言う事は、ご承知の事と思います。
 日蓮大聖人は常に、生まれ故郷の安房の国を意識しておられ、身延期に書かれた『光日房御書』の中に「父母のはかをもみよかしと、ふかくおもうゆえにいまに生国へはいたらねども、さすがにこひしくて、吹風、立つ雲までも、東の方と申せば、庵をいでて身にふれ、庭に立てみるなり」と書かれているように、東の方から流れてくる雲、風はきっと両親のお墓に触れてきた風、高い空からお墓を眺めてきた雲と思い、それらを懐かしんで見られ、感じられていた事が書かれております。
 私も日蓮大聖人の弟子の一人でありますから、やはりお師匠様の代わりとして思親閣別当任期中に一度は千葉県小湊の御両親様のお墓、清澄に眠る師道善房様のお墓参りをしたいと思いながらも、なかなか叶わずにおりましたが、任期が残り3ヶ月を切り、ご報告と感謝、御回向の誠をお伝えしようと日帰りで行って参りました。
 両親閣妙蓮寺様では上村御住職様のお経を頂き、そして改めて妙日尊儀、妙蓮尊尼のお話、親子の絆等色々なお話を頂き、短時間ではありましたが本当に良いお墓参りができたと感激しております。お土産にいただいたヒジキは翌日育恩の御祖師様に献上させて頂きました。