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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 池上 玄裕
至孝の納骨(みのぶ誌2012年8月号より)

 蒸し暑い夏がやってきました。皆様にはどうか猛暑対策をして厳しい夏を乗り越えていただきたいと願っております。また7月の九州北部の大雨で被害を被った方々には心よりお見舞いを申し上げます。  私事で申し訳ありませんが、私の母は平成18年11月23日が命日で姉が平成21年9月19日が命日です。母は80歳を超えておりましたので仕方がないと思っておりましたが、姉は54歳でしたので残念であり、母と同様に80歳まで頑張ってもらいたかったと今でも思っております。嫁ぎ先も近くの下部温泉の旅館でしたので、何かあると直ぐに来て力を貸していただきましたので残念です。この2人の共通点は自慢ではありませんが働き者でした。母は陰ながら寺の力となり、姉は旅館の女将として日々働いておりました。たまには何処かへ旅行でもと言ってもいつか行くよと言っている内に遙か彼方へ旅立ってしまいました。もう少し親孝行と姉さん孝行をしておけばと毎日悔やんで位牌にお題目を上げご供養をさせていただいております。勿論父へも忘れたことはありません。  私の弟子の和歌山県在住の清水玄誠師が今年の3月に縁あってインドの霊鷲山へ参拝することになりましたので、その折母と姉を霊鷲山に連れて行って欲しいとお願いしたところ快諾していただいたのでお願いしました。本堂にある2人の分骨を小指の先に乗るくらいに更に分け遙かインドの聖地霊鷲山の片隅に埋骨してもらい安堵しております。生前中どこへも行かず頑張った2人にはいつか旅行のプレゼントをしたいと思っておりました。2人一緒ですので異国の地霊鷲山の土となるのは寂しくはないと思いますし、私もやがては親元へ参りますのでこの感想を聞かせていただきたく思います。今親孝行の御山に登らせてもらっている事に深く感謝申し上げ、多くの方々に親孝行と信仰の素晴らしさを改めて勧めたいと思っております。